終身保険のメリットとデメリット‐死亡保障が一生涯だけど…?

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終身保険の説明を受ける夫婦

死亡保障には大きく分けて定期保険と終身保険に分かれていますが、今回は保障が一生涯続く終身保険についてご紹介します。
一度入れば後はずっと保障が続き守られるので、以降は余計な心配をせず安心できるという点で、数ある保険の中でも選ばれやすい保険商品となっております。

まず終身保険とは何なのかをおさらいし、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか、またどのような人にオススメできるのか解説したいと思います。

 

1.終身保険とはなにか

ご存知の方も多いとは思いますが、おさらいのため改めて簡単にご説明します。

終身保険とは、一度加入すると解約するまで一生涯に死亡保障が続く生命保険です。定期保険の保障期間(保険期間)が一定期間であるのに対し、終身保険では保障期間に定めがありませんので、解約しない限りは契約がずっと続くことになります。

もう一つ途中解約以外で契約が終了する場合は、保険の対象になる人(被保険者)が死亡若しくは高度障害になった時です。被保険者がこれらの状態になった時、保険金が支払われ、契約が終了することになります。

 

2.終身保険の特徴・メリット

終身保険が持つメリットには4つのポイントがあります。それぞれのメリットを見てみましょう。

 

2-1.保障期間の定めがない

こちらは初めにもお伝えしましたが、保障期間が契約時に定められる定期保険と異なり、終身保険はいつまで保障するといったような保障期間が決まっていません。したがって被保険者が所定の状態になるか、保険契約を解約するまで保障が一生続きます。

 

2-2.保険料の支払い方は2通り

保障が一生涯続くということは、保険料の払い込みも一生しなければいけない、という訳では必ずしもありません。
払い込み期間を設定し、その期間まで支払い続ける「短期払い」と、契約中は払い続ける「終身払い」があります。

短期払いの場合ですと、例えば65歳までに支払いを終わらせるなどいつまで支払い続けるのか期間を定めます(保険料払込期間)。指定した歳以降は保険料を支払う必要がありません。しかも、保障は一生続きます。
その反面、月々の保険料は払込期間が決まっているので、終身払いに比べ高く設定されています。

終身払いの場合、その名の通り終身まで支払いを継続しなければなりません。その代り、保険料は短期払いの場合と比べて安くなっています。

自分がいつ死んでしまうのかは分からないため、どちらの支払い方の方が良いというのは一概に言えません。月々の収支のバランスやライフスタイルに合わせて選択する必要があります。

 

2-3.解約返戻金がある

定期保険の場合、基本は掛け捨てであるので、途中で契約を解約しても、契約期間が満了してもお金が戻ってくることはありません。
ところが終身保険の場合、保障がもう必要でないと感じ途中解約した場合でも、ある程度のお金が戻ってきます。このことを解約返戻金といいます。

解約返戻金は、保険料を既に払い込んだ期間に応じて金額が変動します(短期払いの場合)。払い込みを開始した時期から徐々に解約返戻金は増えていき、払込期間の満了に達した段階で返戻金率は100%を越えるようになります。

100%というのは、保険料を支払った額と、解約返戻金として受け取れる額が同じになるということです。
例えば、今まで支払ってきた額の合計が100万円で、解約時に受け取れる金額が100万円だと、割合は
100 ÷ 100 = 100%となります。

払込期間前に解約した場合、支払い合計額が70万円、受け取れる金額が50万円だったとすると、
50 ÷ 70 = 約71%となります。

途中で解約しても一定のお金が戻ってくる、支払期間を満了すると支払った金額以上にお金が戻ってくるということで、貯蓄性のある商品と言われています。

上記は「短期払い」の場合です。「終身払い」の場合は、払込期間が一生涯続くので、解約返戻金が100%を越えることはありません。その代わり、月々の支払いは低く抑えられています。

 

2-4.特約でプラスαの保障追加可能

終身保険は死亡保障の生命保険のベースとなるような内容になっているため、様々な特約を付加しやすい保険となっています。

一時期だけ保障金額や内容をさらに充実させる定期保険の特約、入院時の保険金額を充実させる医療特約、ガンなど余命何か月と医者から宣告された場合に前もって保険金を受け取れるリビングニーズ特約など、様々な特約を希望に応じて付加することができます。

以上が終身保険の特徴・メリットです。利点の多い終身保険ですが、デメリットも理解しておきましょう。

 

3.終身保険のデメリット

3-1.定期保険に比べ保険料が高い

保障が一生涯続く保険であるため、一定期間だけを保障する定期保険と比べると、どうしても保険料は高くなります。保険金額を上げればさらに高くなります。

保険料を抑えようと、終身払いで払うことを考えてみると、今度は老後になってもずっと払い続けられるのかという将来に対する経済的な不安が出てきます。

保険は無理なく払い続けられるかどうかも重要なポイントです。ライフスタイルは皆それぞれ違いますので、自分に合うようカスタマイズして内容を決定する必要があるでしょう。

 

3-2.インフレリスクに対応できない

現在30歳で、60歳で払い込み満了の場合、現在と将来との期間の差は30年間もあります。30年後のお金の価値は、現在のお金の価値と全く同じでしょうか。

未来のことは分かりませんので想像するのは難しいですが、過去の事は事実として残っています。30年前と現在の円の価値・物価は、おおよそ1.5倍も違うのです。

保険受取金額が1000万円だとすると、30年後に解約返戻金として受け取る金額も1000万円(か少し多いくらい)です。30年後に1.5倍のインフレーションの状態になっていると仮定すると、受け取れる金額は1000万円ですが、実質約666.7万円の価値しか受け取れないという計算になります。

払い込みの期間が長ければ長いほど、インフレに対するリスクは増加します。また、仮に起こったとしても、対応する手段がありません。途中解約の場合の解約返戻金率は低く、あまりお金が戻ってこないからです。

 

3-3.解約返戻金に税金がかかる

終身保険を解約した際の解約返戻金の受け取りは、所得税でいうところの一時所得に当たります。生命保険で受け取る解約返戻金率が100%を越える場合、所得税を支払わなければならない場合があります。大幅な金額になることはあまりありませんが、困惑しないよう注意が必要です。

一時所得と所得税の課税対象額の計算方法は以下の通りです。

一時所得 = 解約返戻金 - 保険料払込総額 - 50万円(控除額)

一時所得の課税対象額 = 一時所得 × 1/2

例:解約返戻金受取額が800万円、保険料の払い込み総額が700万円(返戻金率114.3%)とした場合、
800 - 700 - 50 = 50万円
50 × 1/2 = 25万円

となり、25万円が課税対象となります。

この金額は、給与所得など他の所得の金額とあわせて最終的な所得税額が計算されます。

 

4.おすすめできる人

終身保険をおすすめできる人は、以下のような条件に当てはまる方になります。

  • 途中解約するつもりがない
  • 短期払いの場合、払込期間満了まで支払える資金計画が立っている
  • 終身払いの場合、一生涯払い続けることに問題がない
  • インフレーションリスクは気にしない
  • 保険の見直しを何回も行うのが面倒
  • 葬儀費用だけでもまかなっておきたい
  • 老後の資産運用の一つとして利用したい

 

5.まとめ

終身保険は、途中解約をしない限りは、死亡保障が受けられたり、保険料の支払い以上の金額を受け取れたりと良いメリットがあります。

しかし、ただ単に入れば良いというものではありません。あまり考えずに加入すると、結局は損する可能性が高くなります。

現在では、低解約返戻金型終身保険など利用の仕方によってはお得な商品も出てきていますので、自分に合った商品を選びたいですね。

利用方法を間違えず、賢く保険に入りましょう。

 

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