不動産リート(REIT)の分配金利回りのホントの所

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REIT(リート)の利回り計算

REIT(リート・不動産投資信託)の利回りは、運用の収益から還元される分配金を投資口価格で除することにより求めることができるので、計算式自体は簡単です。しかし、この利回り計算には思わぬ落とし穴が潜んでいます。

REITの利回りの基礎的な計算方法から、ちらっと裏側の知識まで覗いてみることにしましょう。

1.インカムゲインがメインなため利回り知識が必要

REITは、ファンドが不動産投資・運用から得た賃貸収入などの利益を元に、投資家へ「分配金」という形で収益が還元されます。この分配金は銀行に預金している間に発生する利子みたいなものなので、インカムゲインの部類に入ります。

購入価格と売却価格の差額から得られる利益(キャピタルゲイン)を狙えないこともないですが、REITでは、ファンドの主な収入源は不動産賃貸経営による賃料収入によるものです。したがって、投資口価格の上昇を期待するよりも、賃料収入から還元される配当金(インカムゲイン)を狙っていく方法がメインとなります。

したがって、REITには投資金額に対して、一体いくらの利益が見込めるのか(投資収益率)を計る指標(利回り)が必要です。分配金が収益となることから、分配金利回りと呼ばれることもあります。

 

2.利回りの計算はかんたん(分配金利回り計算方法)

REITの利回りの計算方法は、いたってシンプルです。一年間にもらえる一口あたりの分配金から、一口あたりの投資口価格で割り、100をかければ求められます。計算式は、以下のようになります。

REIT利回り=年間の一口あたり分配金÷一口あたり投資口価格×100

例:年間の一口当たりの分配金が3千円、一口あたりの投資口価格が10万円(10万円投資して利益が3千円)の場合、

利回り=3,000円÷100,000円×100=3%

となります。

一口あたり分配金は、それぞれのファンド(投資法人)のホームページの、「分配金」や「IR情報」カテゴリにて投資口1口あたりの確定分配金・予想分配金を確認することができます。
また、一口あたりの投資口価格は、REITの情報ポータルサイトや販売している証券会社で確認すれば分かります。

3.勘違いしてはいけない利回りの落とし穴

J-REITの銘柄チャートを観察していると、分配金の利回りが日々変動していることに気が付くと思います。

では利回りが高い時に購入すれば、それだけもらえる分配金も増えるの?というと、そうではありません。

分配金の実績データを見てみると、比較的安定して分配金を出しているのが見て取れるでしょう。
しかしながら利回りは変動している・・・なぜでしょうか。

これは、実は投資口価格が変動することによって利回りも変動しているのです。

先程の利回り計算式を見て頂ければわかるように、利回りは年間の一口当たりの分配金、または投資口価格に左右されます。
分配金の価格が変わらないということは、投資口価格が下がっているだけなのです。

その為、購入後利回りが上昇したということは、その時点で既に元本割れを引き起こしている可能性が高いのです。

分配金が安定しているのは、REITのメリットとも謳われている為、各投資法人が投資家を安心させるため意図的に行っているのでしょう。
したがって、利回りを見る際のポイントは、「購入時点での利回り」が重要だと言えます。

利回りが上がっている!と歓喜する前に、分配金の額が上がったのか、投資口価格が下がったのかを調べておきましょう。

※ちなみに、分配金額が次期から半分以下に下がることは結構な確率であります。どの銘柄がそうなっているのか、自分で調べてみるのも面白いかもしれません。

 

4.利回りの平均値は?

利回りの平均は、現在では一般的にJ-REITでは3%前後、外国の投資先も含めたREIT全般では10%前後が平均といえるでしょう。

J-REITは日本国内の不動産へ投資しているので、利回りがREIT全体に比べると低くなっていますが、その分比較的安定性が高いと言え、外国人投資家も増えてきているようです。一方REIT全般で見てみると、新興国の不動産にも投資している為、利回りは高い傾向にあります。ただし、利回りが高くなればなるほど、基本的にはそれに伴ってリスクも高くなりますので注意が必要です。

投資用不動産の賃貸経営の利回りも、東京や大阪の都心の物件のものであれば、利回りはこのあたりに落ち着きます。地方のものであれば20%超えのものもありますが、前述したようにリスクも高くなります。

リスクを取るのか利益を取るのかは難しい判断ですが、初めの頃は手堅く始めた方が気持ち的にも始めやすいのではと思います。

 

まとめ

REITの利回り計算方式自体は簡単ですが、付随する価格の変動を理解するためには、不動産市場の状況、投資法人が行っている投資先、運営方法等を理解しておく必要があります。

確かに、株やFX等と比べて比較的安定していると言えますが、リスクは十分にある商品だと認識しておきましょう。

 

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