不動産の固定資産税の計算方法と節税対策のマメ知識

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固定資産税の重要ポイント

住宅をお持ちの方であれば、固定資産税の納税通知書が市区町村から送られてきます。
また、住宅を今お持ちでない方も、住宅や投資用のマンションを購入する際には、諸費用の項目欄に「固定資産税清算金」などで知ることになると思います。

まだ支払う必要のない方も、もうすでに毎年支払っている方も、固定資産税とは何なのか、基本的なポイントと、余裕があれば計算方法も押さえておきましょう。

1.固定資産税とは?

固定資産税とは、1月1日時点での土地・家屋(住宅などの建物)の所有者が納める税金のことです。(固定資産税の課税対象となるものには有形償却資産も含まれていますが、今回の説明では省きます。)

この税金は地方税なので、その対象の土地・家屋が在る地域を管轄している市区町村が課税することになっています(地方税法第5条第2項)。

不動産を購入する時は、1月1日を起点として、12月31日までの納税額を日割り計算した分を清算金として支払うことになります(厳密には購入者に納税する義務はありませんが、慣習上そのようになっています。また地域によっては4月1日を起算日としている所もあります)。

2.固定資産税の基本的な計算式

基礎となる固定資産税の計算方法は、いたってシンプルです。

固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

このように、土地・家屋それぞれの評価額に1.4%の税率を掛けるのが基本となる計算式です。
続いて、それぞれの用語の意味をみてみましょう。

 2-1.固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額」とは、土地・家屋をそれぞれ専用の計算式で求められた評価額です。

土地については路線価を元にした計算式で求められますが、家屋については再建築価格を利用した非常に複雑な計算式となり、プロでないと計算が難しいです(ですが、最終的な金額を決定するのは市町村長です。)。

別に難しい計算を行わなくても、土地・家屋を所有していると市町村(東京都は区)から固定資産税納税通知書が送られ、「評価額」欄を見れば金額が確認できますのでそちらを利用しましょう。

これは実勢価格と呼ばれる市場で販売されている価格とは違い、評価水準は土地・家屋ともに公示価格の約70%の金額となっています。

この評価額は3年に一度見直されます。このことを「評価替え」と呼びます。

2-2.標準税率とは?

標準税率」とは、その名の通り固定資産税を求める際に標準となる税率のことで、1.4%となっています。ほとんどの市区町村が1.4%を採用していますが、地域によっては異なる税率を採用していることもあります。

平成16年に固定資産税の制限税率は廃止(それ以前は2.1%まで)されましたが、それでも1.7%を超えている所はみたことがないので、それほど大きな違いはないとみて良いでしょう。

 

3.土地の計算方法(宅地)

土地の計算方法は、商業用や畑などその土地の用途によってそのままの税率が使われていたり、負担調整措置が取られていることもあります。住宅用の土地の場合は、以下のような軽減の特例措置が設けられています。

小規模住宅用地200m2以下の部分)・・・固定資産税課税標準額×1/6

200m2以下の部分の土地面積を小規模住宅用地と呼びます。この部分の土地は特に課税額の軽減措置が大きく取られていて、なんと評価額の6分の1にまで軽減されます。

一般住宅用地200m2を超える部分)・・・固定資産税課税標準額×1/3

200m2を超える部分の土地面積のことを一般住宅用地と呼びます。この軽減措置は、対象建物に課税される床面積の10倍までという上限が設けられていますが、よほど広い土地の中に住宅を建てるのでない限り、ほとんどの住宅用地はこの上限内に収まります。
軽減措置は3分の1に軽減されます。

もし、住宅用地が300m2であれば、200m2が小規模住宅用地、残りの100m2は一般住宅用地として軽減措置が適用されます。

このほか、市区町村が独自に設けている減額制度がある場合もあります。
(税額が前年度の1.1倍を超える土地に対する固定資産税・都市計画税の条例減額。東京都主税局。URL:http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/joreigengaku.pdf

また、実際の土地の課税標準額を求める際は、不動産価格の変動に対応するため、評価額が同じ土地で同じ税負担となるように税負担の調整措置が設けられています。

計算方法は、前年度の課税標準額とのかい離具合を測る「負担水準の算出」を行い、負担水準の割合を元に、負担調整措置が取られ、課税標準額を計算します。
この負担調整の割合の基準は、年度によって異なりますので、注意が必要です。

住宅用地の負担水準
前年度課税標準額÷{当該年度の評価額(×住宅用地等の特例率)}×100

平成27年度の負担調整措置
負担水準100%以上=本来の課税標準額(今年度評価額×1/3または1/6)
負担水準100%未満=前年度課税標準額+(本来の課税標準額×5%)
(※ただし本来の課税標準額が上限で、20%を下回る場合は20%相当額)

 

4.家屋の計算方法(住宅用建物)

続いて、家屋にかかる固定資産税の計算方法をご紹介します。
住宅用の建物に関しては、新築建物に軽減の特例が設けられています。
ちなみに、家屋の場合は、土地の場合にあったような負担調整がなく、評価額がそのまま課税標準額となります。

新築建物(課税床面積120m2まで)・・・固定資産税課税標準額×1/2

平成28年3月31日までに新築された建物で、居住部分として扱われる課税床面積が50m2以上280m2以下(貸家住宅であれば40m2以上280m2以下)であれば、床面積の120m2までの部分において、2分の1の軽減措置をうけることができます。

また、優良住宅の認定を受けた建物、耐火構造の建物に関してはより長く軽減措置を受けることができます。

認定長期優良住宅でさらに3階建て以上の耐火・準耐火建築物・・・新築から7年間
認定長期優良住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・新築から5年間
3階建て以上の耐火・準耐火構造の住宅・・・・新築から5年間
上記に当てはまらない一般新築住宅・・・・・・・新築から3年間
以上の条件に当てはまらない中古物件等・・・通常通りの計算

 

5.土地・家屋の固定資産税の計算例

それでは最後に、土地・家屋の計算のケーススタディをご紹介します。

ケーススタディ
土地
面積:180m2(小規模住宅用地)
平成27年度評価額:900万円
平成26年度課税標準額:140万円

建物
床面積:120m2
構造:木造二階建て
建築年月:新築(一般住宅)
平成27年度評価額:1100万円

5-1.土地の固定資産税計算

まず、負担水準を求めます。小規模住宅用地なので6分の1の軽減措置が取られています。
140÷(900×1/6)×100=93.33%

負担水準が100%未満なので、
140+(900×1/6×5%)­=147.5万円

ここで、但し書きの内容に当てはまるかどうかをチェックします。
147.5÷(900×1/6)×100=98%

これで但し書きの内容には当てはまらないため、課税標準額は147.5万円となります。

そして固定資産税は、
147.5×1.4%=20,650円

となります。

5-2.家屋の固定資産税計算

家屋の場合は評価額が課税標準なので、1100万円が課税標準額です。
1100×1.4%=15.4万円

続いて、このケースの住宅の床面積が120m2、新築の一般住宅に該当するので、税額が2分の1に軽減されます(1/2の軽減措置は3年間続きます)。
15.4万円×1/2=77,000円

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。計算が非常にややこしく感じられるかも知れませんが、慣れてしまえば他の不動産投資家と差をつけることができます。

一度、所有している不動産の固定資産税を計算してみるのもよいでしょう。自分の不動産について更に愛着が湧くかも知れませんね。

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