投資用マンションを一棟買いした場合のメリット・デメリットは?

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アパート経営・マンション投資(一棟)

アパート・マンションをドカンと一棟買い。不動産投資を目指す人にとって一つの夢・ロマンではないでしょうか。
そんなロマンは一旦横に置きまして(笑)、アパート・マンションを一棟買いすることによって得られるメリットと、反対のデメリットをまとめ、解説していきます。
なにしろ、不動産は大きな買い物です。長所・短所をよく理解し、冷静に考えながら検討しましょう。

アパート・マンション一棟買いのメリット

まずは一棟買いにおけるメリットから、全部で4つ解説していきますので見ていきましょう。

管理がしやすい

何室もの数を同一マンション・アパート内で管理することになるので、他エリアで物件を所有するよりも管理面で様々なメリットがあります。

建物や建物自体の管理状態を、目で見て確認したい時も一カ所に立ち寄るだけで済みます。また、大規模修繕など老朽化が進んだときに必要な修繕も、全戸を管理しているので入居者の意見や情報を共有しやすいです。同じ理由で、ペットの可否やごみ出しなどその他入居条件・ルールも柔軟に変更することができます。

多戸所有による全体的な空室リスクヘッジができる

ワンルームマンションを一室だけ持っている場合、空室の間は収益がゼロになるので空室リスクが高いと言えます。

一棟買いの場合、一度に何室も持つことになるので、どこかの部屋が空室になってしまっても、常時他の部屋が埋まっていれば一定の収益を確保できます。その為、マンション・アパートの一棟買いでは全体的な収益を安定させやすいと言えます。

土地を確保できる

建物が建っている場所の敷地を所有することができます。これは区分所有にはない大きなメリットです。区分所有の場合では、敷地権の割合分だけ所有することになり、割り当てられた敷地権の部分のみ別個で売却するといったことはできません。一棟の場合だとこれが可能で、自由に敷地(土地)を処分することができます。

建物の老朽化が進んだあと自宅を建てたり、駐車場に変えたり売却したりと出口戦略が豊富にあるので、建物とは別に計画を立てられます。

事業的規模による税制メリットが受けられやすい

通常、賃貸収入による収益は不動産所得となり、総合課税の対象となります。ところが、この不動産投資事業が一定の規模を超えると「事業的規模」という判定になり、課税の区分が少し変わります。
この「事業的規模」では、所得税の計算時に青色申告特別控除により65万円分所得を控除できたり、未回収の家賃や災害での損失を経費に計上できたりと、税制上のメリットが受けられます。

不動産賃貸経営が事業的規模として認められるには、マンションやアパートの場合ですと10室以上の所有が目安となっています(明確な基準ではないので、これより少ない戸数でも認められることがあるようです)。一棟10室以上のマンション・アパートを購入すれば、それだけで要件が満たされます。

 

アパート・マンション一棟買いのデメリット

次は一棟買いのデメリットです。実際に不動産投資を始めてみないと気付きにくい点を確認しておきましょう。

購入価格が高額である

一棟まるごと購入する以上、不動産の購入価格が高額になってしまうのは避けられません。
新築で人気のあるエリアの物件であれば、価格が億を超えるものがザラにあります。よほどの資産家か、公務員や上場企業で役職を持っている方など、安定した高収入を得られる方でないと購入するのは難しいでしょう。

もう少し価格を下げれば、5,000万円~1億円の範囲でも比較的良い物件を探すことができます。また、全戸で2~3戸の小さいアパートであれば、2,000万円からでもぽつぽつあります。ただ、そのような物件は築年数が何十年も経っていて、建物の評価がなく土地評価だけが残っているか、地方の人気のない場所である場合がほとんどの状況のようです。

2,000万円程度の物件を探すのであれば、ワンルームマンションなどの区分所有建物も選択肢に含めながら検討した方が良いですね。エリアの幅が広がります。

全戸満室は難しい

ワンルームマンションなど一戸だけ購入する場合は、気に入った条件の物件を選びます。しかし、マンションやアパートの一棟買いでは、全室まるごと購入することになる為、この部屋だけ買わないといったような、特定の部屋だけ購入を避けることはできません。

同じマンション・アパートでも方角や角部屋などの違いがありますので、部屋別に人気が異なることはよくあります。したがって、人気の低い部屋などどこかの部屋の入居者が決まりにくいという状況は避けられませんし、入居者が入れ替わる時期は一時的に空室になりますので、全部の部屋を常に満室にすることは中々難しいです。

全戸横並びのアパートなは方角の向きによる影響は受けにくいですが、それでも日当たりや騒音が気にする方は、端や角の部屋が人気になりやすいです。
人気ではない部屋では、部屋の内装をリフォームしたりと、相当の工夫が必要でしょう。

賃料減少による影響が大きい

賃料の減少は他の部屋にも影響します。
例えば10戸あるアパートで、一部屋につき1万円賃料を下げた場合、他の部屋の賃料も下げる必要に迫られます。どうしてそうなるのかという疑問の答えは、賃貸のお部屋を探す立場になってみたら分かります。

今や賃貸のお部屋探しは、ネットで物件を検索するのが主流になりつつあります。もし、同じマンションやアパート内のお部屋で月額賃料が異なっていたらどうしましょう。当然、賃料が低い方を選びますよね。
このように、顧客は賃料を見比べてお部屋探しをしますので、他の部屋よりも高い賃料を提示しているお部屋は選ばれません。結果、一戸の賃料を下げれば他も下げざるを得ないというわけです。

更に、既に住まわれている方が賃料減額の交渉をしてくることも考えられます。自分が支払っている賃料より安い料金で広告が出されているのを発見した場合、同じ料金にしてもらえるようお願いされるでしょう。この場合も、空室で収入がゼロになるよりはマシなので、余程のことがない限り減額に応じるしかありません。

部屋の人気度なども考慮されますので、全部屋一律に同じ賃料にしなければならない訳ではありませんが、今回は話を単純にするために全戸の賃料を同時に同額下げるとしましょう。
月の賃料収入の減少額は 1万円×10戸=10万円
年間の賃料収入の減少額は 10万円×12ヵ月=120万円
も減ることになります。

経年劣化により、いずれは必ず賃料を下げなければならない状況に直面しますが、いつ減額するのか、どれくらい減額するのかの判断は慎重に行わなければなりません。

災害リスクが上昇

他の地域の区分所有建物に分散して投資購入していた場合、災害の損失を最小限にすることができます。ワンルームマンションなどの一室購入であれば、例え火災が起こったとしても、損失はその物件のみだからです。

一方、マンション一棟買いの場合はそうはいきません。消火対応が遅れたり、地震が原因の火災であれば、最悪の場合全焼してしまう可能性があります。そうなった時の損失額は大変大きなものとなりますので、火災・地震保険への加入は必須です。

 

まとめ

アパート・マンションの一棟買いは、戸の数の分だけ収入が掛け算式に入ってくるため、安定性を保ちながらも大きなレバレッジを効かせることのできる不動産投資といえます。
同時に、戸数が多くなるということはそれ相応のリスクを覚悟する必要がありますし、なにより購入価格が高額です。ハイリスク・ハイリターンの投資商品の部類に入るでしょう。

つまるところ、投資初心者にとっては必要投資額が大きいので、初めのうちは手を出さない方が無難でしょう。
それでもアパート経営・マンション一棟投資を始めてみたいという方は、ワンルームマンション・戸建てを複数戸所有し、経営の修行を何年か積んでからスタートしてみてはいかがでしょうか。

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