老後の生活費っていくらぐらい?収支の内訳は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
老後の資金を考える夫婦

老後の生活費っていくらぐらい?収支の内訳は?

老後の生活はセカンドライフと呼ばれているように、今の生活とは違う新しい生活が始まります。

勤め先を退職し、月々かかる生活費も変化しますが、一体どの位の費用がかかっているのでしょうか?

総務省統計局の「家計調査報告 平成26年(2014年)平均速報結果の概況」からの結果を元に、2013年、2014年の高齢者の平均的な生活費のデータを作成しました。現在の高齢者の生活費を目安として確認し、自分の月々の生活費と比べてみましょう。

1.それぞれの用語の確認

老後の生活費のデータを見る前に、あまり見慣れない言い方をしている用語がありますので、確認のためにここで知らない用語がないかチェックしておきましょう。

実収入
普段私たちが給料として受け取る収入は、様々な税金や保険料が引かれた金額を受け取っていますが、これらが引かれる前の金額のことを実収入といいます。

可処分所得
実収入から税金・社会保険料等が引かれた金額のことで、一般的には「手取り」と呼ばれているものです。この収入から、様々な商品やサービスを購入することが出来るのです。

消費支出
いわゆる「生活費」のことです。この金額を見ると生活費がいくらかかっているのかを知ることが出来ます。

※エンゲル係数とは?
消費支出合計に占める食費の割合で、この数値が高いほど生活水準が低いとされています。今回は全ての消費支出別に割合も記載していますので、消費支出内訳の「食料」欄の割合を見て頂ければエンゲル係数が分かります。

ちなみに計算式は、

エンゲル係数(%)=食料費÷消費支出×100

で求めることができます。

 

2.高齢単身無職世帯の平均生活費

高齢単身無職世帯(60歳以上で一人暮らしの方)の平均生活費は以下のようになっています。

高齢単身無職世帯(60歳以上の一人暮らし)の平均生活費
消費支出の内訳に関して、項目の分け方が分かりやすいですね。さすが総務省のデータです。

上から順に、

食料・・・ひと月あたりの平均食料費。割合の部分はエンゲル係数と呼ばれています。
住居・・・固定資産税や都市計画税、家賃地代等です。住宅ローンは含まれていません。
光熱・水道・・・水道光熱費です。
家具・家事用品・・・掃除用品などの支出です。
被服及び履物・・・衣食住の「衣」の部分です。
保険医療・・・保険料の支払いや医療費です。
交通・通信・・・電話回線費や携帯・インターネット費用、交通費です。
教育・・・子供も成人し働いている方が多いので支出はほとんどないですね。
教養娯楽・・・趣味や娯楽に使用される費用です。
交際費・・・友人等との交際費用です。

消費支出合計を見てみると、わずかですが支出が減少しているのが分かります。2014年はちょうど消費税が5%から8%に変わった年なので、大幅に減少しているのではないかと予想していましたが、そこまで影響はなかったみたいですね。

一つ気になった点は、住居の支出の低さです。現在の高齢者は持ち家を所有している方が大半で、支出が低く抑えられていると思うのですが、現在、50代以下の持ち家率は年々減少していますので、この金額が保たれているかは少し疑問が残ります。

現在一人暮らしをなされている方は、上記のデータと比較してみてはいかがでしょうか。

 

3.高齢夫婦無職世帯の平均生活費

続いて、高齢夫婦無職世帯(夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の平均生活費のデータを見てみましょう。夫婦暮らしをなされている方は、下記のデータを参考にして下さい。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の平均生活費
こちらの消費支出の合計も高齢単身無職世帯と同じく減少しています。エンゲル係数が少し上がっているので、生活水準が少し下がったといえます(微々たるものですが)。

二人暮らしをしているので、住居費・光熱・水道費が割合的に抑えられている反面、食料費の割合が単身世帯と比べて高くなっています。

その他の数値に関しては、単身世帯とそこまで変わらない印象です。

「老後の資金は一体いくら貯めれば良いの?」でもご紹介しました、老後の夫婦に必要な最低日常生活費の平均額は22.0万円との調査結果が出ていましたが、実際の老後の生活費と約2万円の差が開いています。イメージと現実とのギャップが少し生じています。

交際費等を抑えればなんとか22万円以下で生活できそうですが、楽しみがかなり減ってしまいますね。

 

4.収支を確認するとなんと驚きの結果が!?

まずは次のデータをご覧ください。

高齢単身無職世帯(60歳以上の一人暮らし)の平均収支
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の平均収支
収支合計の欄をみて頂ければわかりますが、なんと単身世帯、夫婦世帯共に収支がマイナスになっています。一体どういうことなのか、一つずつ辿りましょう。

まず、実収入はまっさらな状態の収入金額で、ここから税金・保険料等(非消費支出)が引かれます。

2014年の高齢夫婦無職世帯を例に取ると、

207,347-29,422=177,925

これが可処分所得で、実際に手に入る手取り金額となります。そこから生活費(消費支出)を引くと、

177,925-239,485=-61,560

マイナス61,560円の赤字になっています。この金額、年間にして約74万円の不足となります。さらに20年間で換算すると、約1500万円になります。

 

5.この不足分をどのようにして補うのか?

恐らく、貯蓄を切り崩しながら支払っているはずです。貯蓄が全くない人の事を思うと、恐ろしくなります。

ここで分かることは、

  • 可処分所得(手取り収入)が減少し、家計を圧迫している
  • 公的年金だけでは収入が全然足りず、とてもではないが生活できない
  • 貯蓄など老後の資金計画をしっかり立てておく必要がある

これから公的年金が大幅に増加していくことは、少子高齢化問題もあり非常に考えにくいです。

また、仮に22.0万円(老後の夫婦に必要と感じている最低日常生活費の平均額)の手取り収入が得られたとしても、まだ約2万円分をどこかで削らないといけない計算になります。

そうなると、やはり公的年金を当てにせず、自分なりに老後の資金計画を立てておく必要があります。

30代の方は今すぐにこれらの資金の準備をする必要はないかと思いますが、ただ老後の生活費の為に貯金や投資などを行い、必ず蓄えておく必要があると言えるでしょう。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加